出産後、体重は少し戻っても、なかなかお腹や腰まわりがすっきりしないことに悩む方は多いと思います。赤ちゃんとの暮らしに追われる日々、体型の変化は心にも影を落としかねません。
でも、ご安心ください。
ピラティスなら、体を安全に整えながら、自然に引き締まった体へと導けます。ここでは、産後にピラティスがなぜ「体型戻し」に向いているのか、実際にどう取り入れればいいのかまとめています。
産後にピラティスが選ばれる理由
産後はホルモンの関係で骨盤周りがゆるみやすく、姿勢が崩れがちです。ピラティスは呼吸と浅い筋肉を連動させ、骨盤底筋や腹横筋などの「インナーマッスル」を鍛えることに特化した運動です。柔らかくなった骨盤の位置を支える力を呼び覚まし、ぽっこりお腹や腰のたるみを根本から整えることにつながります。
産後ピラティスが体型戻しに向くもう一つの理由は、無理のない動きで筋肉を使えることです。ダイエットのためとはいえ体力が戻らないうちに急に激しい運動に取り組むのは負担ですが、ピラティスなら少しずつ体の中心を整えることができます。
体型リカバリーに関しては、産後女性を直接対象にした研究ではありませんが、リフォーマーピラティスが体組成の改善や筋力・持久力の向上につながる効果があることが、参加者を分けて比較した本格的な研究で示されています(Scientific Reports, 2025年, 研究全文はこちら より)。
ピラティスの「体型戻し」効果を支えるポイント
骨盤底筋を整える
妊娠や出産によって骨盤底筋はゆるみやすく、その結果、姿勢の崩れ・下腹部の突出(いわゆるぽっこりお腹)・尿もれなどが起こることがあります。
日本泌尿器科学会は公式サイトで、骨盤底筋体操が腹圧性尿失禁の予防・改善に有効であると明示しています(日本泌尿器科学会公式サイト)。
また、世界保健機関(WHO)も産後の身体活動の中で、骨盤底筋を含む体幹の回復を促す運動が女性の健康に役立つと示しています(WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour, 2020)。
ピラティスはこうした骨盤底筋を意識して動かす運動法のひとつであり、体幹の安定を高め、内臓を支える力を回復させる土台づくりに役立ちます。」
姿勢を改善し、見た目に違いを生む
ピラティスは骨盤の位置を整えることで姿勢を美しく保てるように導きます。姿勢が整うと、自然に体型が引き締まったように見えます。猫背や反り腰が気になる方にも向いています【npilatesページ】。
筋肉のバランスを整え代謝を促す
出産前後は腹直筋が分離し、体幹を支えるインナーマッスルが弱まりやすいことが知られています。英国国民保健サービス(NHS)は公式サイトで、腹直筋離開は産後に多くの女性に見られる状態であり、適切な運動が回復に役立つと説明しています(NHS: Your post-pregnancy body)。
また、世界保健機関(WHO)は、産後の女性が段階的に身体活動を再開することは代謝や体型の回復に有益であると示しています(WHO: Guidelines on physical activity and sedentary behaviour, 2020)。
ピラティスはこうしたインナーマッスルを呼吸とともに意識的に使う運動法のひとつであり、筋肉のつながりを整え、バランスを取り戻す土台づくりに役立ちます。
高齢者にも役立つ根拠
ピラティスは、体を大きく動かさずに筋力や柔軟性、姿勢を同時に整えることができる、安全性の高い運動法です。
世界保健機関(WHO)は2020年の公式ガイドラインで、妊娠中および産後の女性を含むすべての成人に、中等度の身体活動(週150分程度)を推奨し、体重管理やメンタルヘルスの改善に効果があると示しています(WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour, 2020)。
また、米国疾病対策センター(CDC)も「妊娠中および産後の女性は、体調に応じて中等度の運動を取り入れることが安全であり、心身の健康に役立つ」と明記しています(CDC: Physical Activity – Pregnant & Postpartum Activity)。
このように、産後に限らずライフステージを問わず、ピラティスのような中等度の運動は健康の維持と向上に役立ちます。
始める前に知っておきたい注意点
まずは医師に許可をもらうことが大前提です。特に帝王切開の方は腹筋に傷があるため慎重に進めましょう。
ピラティスは無理せず、自分の呼吸ができる強さ・動ける範囲を見つけるのが重要です。腰や関節に鋭い痛みがあったら、中止してプロに相談してください。ピラティスは「快適な筋肉の動き」を習慣化することが目的で、痛みを伴うのは本来の目的と逆行します。
自宅でできる産後ピラティスの基本動作
呼吸
胸を開くように鼻から吸い、腹を背骨に寄せて細く吐く。この呼吸だけでお腹が締まり、体幹が安定していきます。骨盤の前後スイング
仰向けの膝立て姿勢で骨盤を自分に寄せるようにゆっくり動かす。骨盤の重さを感じながら動かすことで姿勢の感覚が戻ります。背骨のキャット&ドッグ
四つん這いで背中を丸め、次に反らす。背骨をやさしく動かすことで柔軟性と姿勢が整います。橋のポーズ
仰向けの膝立て状態から尾骨や背骨を一つずつ持ち上げ、胸を開いて戻す。腹筋とお尻の筋肉がバランスよく働きます。
継続して得られる体の変化
最初の1~2週間で呼吸や姿勢の感覚が整ってくる方が多く、1か月も続けると運動習慣が定着し始めます。3か月続けると、歩き方が楽になったり、体重は減らなくても体のラインが整うケースもあります。
体型戻しにおいては「鏡の前の変化」と「見た目のシルエットの変化」が、体重以上にうれしい変化です。SNSや口コミでも「見た目が戻った」「気分が上がる」という声が多く寄せられています【zenplace口コミ】。
食事と睡眠との合わせ技で効果アップ
ピラティスを効果的にするためには、たんぱく質やカルシウム、ビタミンDの確保も大切です。バランスのよい食事と、十分な休息をとることで、筋肉も回復しやすくなります。
最後に
産後の体型戻しは「焦らず、からだと心を丁寧に動かす習慣をつけること」が鍵です。ピラティスはその習慣を安全に、自然に導いてくれる最適なパートナーです。
立ち姿が変わらない、背中が伸びないと感じるその一歩を、まずは呼吸から始めてみてください。毎日少しの時間でも、自分の体と向き合う時間を続けた先に、あなたのなりたい体型と自信につながる未来が待っています。