妊娠中の体と心は、日々少しずつ変化していきます。体型の変化に加えて、腰痛やむくみ、息苦しさなど、妊娠ならではの不調を感じる方も少なくありません。そんな時に「運動を取り入れてみたい」と考える妊婦さんも多いのではないでしょうか。
その中でよく候補に挙がるのが「マタニティピラティス」と「マタニティヨガ」です。どちらも妊婦さんに人気のある運動法ですが、「結局どっちを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いのが実情です。
本記事では、ピラティスとヨガの違いを解説し、それぞれのメリットや注意点を整理しながら、「自分に合った運動はどちらか」を考えるためのヒントをお届けします。
ピラティスとヨガの違い
まずは、ざっくりと両者の特徴を整理してみましょう。
ピラティスとは
20世紀初頭にドイツ人のジョセフ・ピラティス氏が考案
姿勢改善や体幹の安定、リハビリに強み
呼吸とともに体をコントロールする「コントロロジー」の概念に基づく
骨盤や背骨を安定させ、出産に向けた体づくりに役立つ
妊娠中は腹筋や骨盤底筋が弱まりやすく、姿勢が崩れることで腰痛や肩こりが起こります。マタニティピラティスでは、お腹に負担をかけずに深層の筋肉を鍛え、体のバランスを整えることを目指します。
呼吸法は胸式呼吸を中心とし、肋骨の広がりや横隔膜の動きを意識することで、酸素の取り込みを促進し、体の緊張を和らげる効果があります。インナーマッスルを鍛えることで骨盤の安定性が増し、産後の体型リカバリーにもつながる点が特徴です。
ヨガとは
古代インド発祥の心身修養法
「呼吸・姿勢・瞑想」の3要素を大切にする
心の安定やリラックス効果が大きい
ゆったりとした動きでストレス緩和や血行促進に役立つ
マタニティヨガでは、妊娠中でも安全に行えるようにポーズをアレンジし、深い呼吸を通じてリラックスすることを重視します。股関節や骨盤周囲を柔軟にすることで出産に備え、不安や緊張を和らげることができます。
腹式呼吸やリズム呼吸を学ぶことは、陣痛時に力を逃すための練習にもなります。精神的な安定を重視する点で、マタニティピラティスよりもメンタルへのアプローチが強い傾向があります。
妊娠中にピラティスを行うメリット
妊婦さんがピラティスを行うことで得られる主な効果には以下があります。
腰痛や骨盤の安定
妊娠中はお腹が大きくなることで腰に負担がかかります。ピラティスで体幹を強化することで、腰痛予防が期待できます。根拠:国立成育医療研究センターでは「妊娠中の腰痛改善には軽い運動が有効」と示されています。
出産に必要な筋力の準備
骨盤底筋群や腹部の安定が、分娩時に役立つとされています。産後の回復がスムーズに
妊娠中から体幹を意識することで、産後の体型戻しや骨盤ケアに移行しやすくなります。
妊娠中にヨガを行うメリット
ヨガは心の落ち着きを重視するため、精神的なサポートが大きな特徴です。
リラックス効果・ストレス軽減
深い呼吸により、自律神経を整え、妊娠中の不安感を和らげます。根拠:厚生労働省の健康づくり推進の中でも「呼吸法やストレッチは妊娠中のリラクゼーションに有効」と紹介。
厚生労働省 e-ヘルスネット:妊娠期の運動
血行促進とむくみ改善
ゆったりと体を動かすことで下半身の血流がよくなり、足のむくみやだるさが軽減します。睡眠の質が向上
ヨガの瞑想は入眠を助け、妊娠中にありがちな眠りの浅さの改善に役立ちます。
マタニティピラティスとマタニティヨガの共通点と相違点
共通点
両者にはいくつかの共通点があります。まず、どちらも妊娠中の体に無理のない範囲で行えるよう設計されており、安全性に配慮されています。呼吸を深めることを通じてリラックス効果を得られる点も共通しています。
また、妊婦特有の症状である腰痛や肩こり、むくみ、便秘の改善に役立つことも共通しています。さらに、出産に必要な骨盤周辺や股関節の柔軟性を高める効果があり、産後の体力回復にも応用できます。
相違点
大きな違いは、体へのアプローチの方法です。
ピラティスは体幹の筋肉、特にインナーマッスルを意識して鍛えることで、骨格を安定させ姿勢を整えることを重視します。これにより腰痛予防や体型維持に直結します。
一方、ヨガは柔軟性を高めることや呼吸と心の安定に重点を置きます。精神的なリラックスやストレスの解消に強みがあり、妊娠中の不安や緊張を和らげる効果が期待できます。
呼吸法も異なります。
ピラティスは胸式呼吸で体幹を安定させ、ヨガは腹式呼吸や完全呼吸を用いて精神を落ち着けます。メンタル面へのアプローチの比重もヨガのほうが大きいです。
二者とも共通点が多く、迷う場合は究極的には、
🚩体の安定を重視するなら「ピラティス」
出産に向けて体幹を鍛えたい
腰痛や姿勢の崩れを改善したい
🚩心の安定を重視するなら「ヨガ」
ストレスや不安を和らげたい
リラックスして赤ちゃんと向き合いたい
両方を組み合わせるのもOK
実際には、妊婦さんの体調に合わせて両方をバランスよく取り入れる人も多くいます。
👉 注意点:どちらの場合も必ず主治医の許可を得てからスタートしてください。
妊婦さんの口コミ・体験談
ピラティス派
今日から28w!8ヶ月!後期に入ったのかぁ。今週で産休に入るから、いよいよって感じ。
中期は姿勢保持や息苦しさ、疲労感など強くなってきたけど、鍛えたおかげかだんだん楽になってきた✨呼吸がしっかり入るようになって疲れにくくもなった。マタニティピラティスと、筋トレパーソナルの成果💪 pic.twitter.com/ssXC7Hfz3p
— 優香☺︎10m🎀ワーママ疲弊中 (@bodymake_yuka) July 29, 2024
マタニティピラティスめちゃくちゃ良い!!!妊娠してからも週1パーソナルジム続けてるんだけど、腰痛とかのマイナートラブル伝えてもあんまり納得いくトレーニングしてくれてなくて不満だったの😂😂パーソナルのピラティス、求めてたのこれだ!感があったとても良い🤰
— 女神ちゃん🦕バリキャリ初マタ33w (@megami__dayo) August 2, 2025
ヨガ派
家でマタニティヨガ始めた🧘♀️
明日はマタニティマッサージ💆♀️
ポジティブな空気を吸い込んで
ネガティブな気持ちは吐き出して
アイス食べて(🐷)
最高の昼下がりです🕊🌱— みい♡初マタ¨̮⃝35w🎀 (@tumibaby0115) June 17, 2025
お医者さんから運動の許可出たから今日からマタニティヨガはじめてみる🧘♀️✨
— ぽめ@31w🦕 (@pome1043) August 19, 2025
昨日一昨日とよく眠れた。寝る前に始めたマタニティヨガがよかったのかな?🤔
— あしたば🌱1/18予定日 (@ashita_ba_ba) August 17, 2025
よくある質問(Q&A)
Q1. 妊娠初期からやっていいの?
A. 原則として妊娠16週を過ぎて安定期に入ってからが推奨されます。ただし主治医が許可すれば初期から行える場合もあります。
Q2. どのくらいの頻度で行えばいい?
A. ACOGの指針では「週に150分程度の中等度の運動」が妊娠中にも推奨されています。1日20〜30分を週に数回行うのが理想です。
Q3. やってはいけないポーズは?
A. うつぶせ・強いねじり・ジャンプ動作は避けるべきです。
7. まとめ
ピラティス=体を整えて出産準備
ヨガ=心を整えてリラックス
両方を取り入れるのもおすすめ
そして何より大切なのは、主治医に相談しながら、自分が心地よいと感じる運動を続けることです。